
(1) 草食獣です。盲腸内のバクテリア群(腸内細菌)によって植物繊維は消化され、できた半消化物質をもう一度食べて(食糞)栄養分を吸収します。盲腸は腹部の1/4以上を占めています。便の異常≒盲腸の異常と考えるべきで、便の異常は要注意症状です。
(2) 水をやたらと飲む動物です。尿量も多い。また、偏食しやすい動物です。
(3) 何でも齧ってしまいがちです。齧った物は食べ込んでしまいがちです。
(4) 祖先はアナウサギで、土に巣穴を掘って暮らすのが本来の生活です。温度変化(特に高温)に弱い面があります。土中の生活は温度変化が少ないから、と考えられています。
(5) 野生では、食べる草にあまりバラエティがありません。偏食は、元来毒草を避けるためなのです。しかし、飼いウサギは毒草を見分けることができません。
(6) 機能的に嘔吐ができません。
(7) 病気のうち、8割以上が消化器の病気で、そのうち9割が胃うっ滞や胃内毛球症です(当院患者の場合)。嘔吐ができないために、胃に貯まった内容物を吐き出せないからではないかと考えられます。また、この病気にかかるウサギには食餌内容に問題がある(低繊維食)場合が多く見受けられます。
(8) ウサギのメスには喉元に「肉垂」と呼ばれる襟巻状に皮膚がたるんだ部分があり、そこから毛を引きむしって巣穴に敷き、巣作りをする性質があります。病的な毛引き症(意味なく毛を引きむしって皮膚がただれる病気)は、この部位からはじまる場合が多いです。
(9) 正常時でも、カルシウム結晶を含む濁った尿を排泄します。病的に結晶が多くなると、膀胱炎等の症状が現れます。
(10) 眼を開けたままでも眠れるという特技があります。神経質なウサギに多いです。
(11) 排尿の躾はできる場合が多いですが、排便の躾はしづらい場合があります。
(12) 臆病というよりはマイペースで、ペースを乱されると動揺します。パニックに陥ると収拾がつかない行動を取り、その結果大怪我に至る場合があります。
(13) 病気の症状をなかなか訴えません。食欲がなくなるのは一大事(命にかかわる事態)と認識するべきです。特にメスはギリギリになるまで平気そうにしている場合が多いので要注意。
(14) 肉球(パッド)を持たない動物です。足裏にトラブルが起こりやすいのはそのせいではないかと思われます。
(15) 前歯・臼歯の全てが生涯伸び続けます。歯のトラブルが起こりやすいのはそのためです。
(16) 大口を開けることができません。歯のトラブルを解決しにくいのはそのためです。
結論:病気にならないように飼うのがポイント!!
· 絶対に与えてはならないものは炭水化物です。盲腸内の腸内細菌が異常発酵し、消化器病を誘発します。ウサギ用クッキー・パン・米・麺・イモ類なんぞはもってのほか!!です。
· 野菜は「水分」程度の意味しかありません。また、小松菜等カルシウム含有量が多い野菜は、カルシウム尿を誘発します。オススメは水菜。
· 販売されている乾草のうち、アルファルファはカルシウム含有量が多く、勧められません。チモシーがベスト。
· 盲腸で色々な栄養を作れるので、栄養を外から与える必要性が低いのです。ラビットフードは補助食程度に考え、乾草を主食にするようにしましょう。
· ラビットフードはペレットタイプにしましょう。混合餌タイプは好きなものだけをよって食べる偏食を引き起こし、その結果栄養障害や消化器病を誘発します。乾燥果物や野菜も別段与える必要性はありません。
· ラビットフードは1種類に決め、むやみに変えないこと。急に変えると食べなくなってしまったり消化管障害を引き起こすことも。簡単確実に買える大手メーカーのものが望ましい。フードを変更する際には、様子を見つつ1・2ヶ月程度かけてゆっくり慎重に!
· 胃内毛球症を防止するとされているおやつ(乾燥パパイヤ等)に、実際の効果はありません。好むウサギが多いので、偏食させないよう、与えるのは慎重に。
事件簿:北海道から関東に引っ越してきたが、新しいラビットフードを絶対に食べようとしない。結局以前購入していた北海道生協から一々取り寄せなければならなくなった。
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ラビットフードのオススメ |
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ラビットフード・ヘルシープレミアム |
当院も開発に参加・協力したプレミアムフード。 基本的には病院専売品なので、一般販売されているフードの内容量は少ない。カルシウム含有量が少なく繊維が多い。嗜好性がよく、これを食べて元気に長生き!ウサギは多いです。 製造元:日本配合飼料 国産メーカーの老舗で実験動物や野生動物等のフードを長年作っており、ノウハウが充実しています。 |
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ラビットフード・コンフィデンス
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内容量は1kgと3kgがあります。詳しい解説はコチラをご覧下さい。 試供品は、病院に頼むともらえる(と思うんだけど・・・・)。販売代理店はゼノアック。 希望小売価格:1kg/\1,155 3kg/\2,625 |
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バニーセレクションメンテナンス |
動物病院でも扱っているプレミアムフード 製造元:イースターペットフード 小動物フードの国産メーカーとしては日本配合飼料社と対抗する大手。最近、このフードを初めとした各種小動物用プレミアムフードを次々に発売し、評価を得ています。 このメーカーのラビットフードはウサギの年齢によってグロース・メンテナンス・シニアに分かれていますが、嗜好性・偏食傾向をかんがみ、メンテナンスをお勧めすることにしました。 |
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ハイペットパスチャーチモシー |
主食に適した品質&価格の1例 製造元:ハイペット 小動物用フードやグッズの製造メーカー。価格が比較的安く、購入しやすい。 このチモシー乾草は様々なメーカーから出ており、それぞれ微妙に味や香りが違うようです。好きなものを探して与えましょう。開封後は密封し虫等の混入にご注意!!また、湿気にもご注意下さい。湿気ると有毒なカビが生えることがあります。 |
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バニーセレクション プレミアムチモシー |
やっぱりプレミアム乾草 製造元:イースターペットフード アルミパックにシールが施してある(っぽい)。きちんと閉めれば虫の混入等は防止可能でしょう。価格はやや張るが、動物病院で購入可。 上記フードと同じく、湿気にはご注意下さい。 |
1. 粗繊維が少なく蛋白質が多いラビットフード
これは元来食肉用ウサギを肥育(速く肉がつくように育てる)するためのフードです。ウサギの健康は考慮されていません。粗繊維は最低でも15%程度はあるものを選びましょう。保障成分値を見る習慣を!!
事件簿:粗繊維が低いラビットフードを長期給餌したために慢性腸麻痺に。腸運動促進剤を飲み続けなければならなくなった。
2. クッキーや乾燥果物の多給
ウサギは甘いものが大好き。クッキーや乾燥果物は大好物です。あげすぎるとそれしか食べなくなります。野菜にも繊維はほとんど含まれていません。「好きだから」「欲しがるから」を食餌を選ぶ基準にしないこと。
事件簿:こうした食餌のせいで胃内毛球症になったのに、食生活が改善できず、半年で再発してしまった。
オススメ商品の一例
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へちま |
わらざぶとん |
わらスティック
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庭に放すときのオススメ品の一例
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胴輪 |
胴輪とリードのセット |
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· 特に若いウサギは退屈しやすく、狭いケージ暮らしが続くと退屈しのぎに自分の毛を引きむしったりすることがあります。人の指しゃぶり等と同じことなのですが、この種の行動が身につくと制御がなかなか難しく、難治性の皮膚炎等に発展してしまうこともあります。「食べてもOK」おもちゃは、ウサギの破壊欲をかなり満たしてくれます。
· 一番の解決策は、「外で思い切り遊ぶ」ですが、室内遊びも油断なりません。日本の家屋はウサギにとって「齧ったり食べてはいけない」物だらけ!!コード、じゅうたん(特に合成繊維のものは消化できず、危険)、壁紙(殆どがビニール製)等々・・・・・・。
· 遊ぶのに適した場所の床のオススメはフローリング(滑りにくいワックスを塗りましょう)、たたみ(但し、畳を齧られることは覚悟しましょう)です。安全確保のためにはサークルをつくり、中で遊ばせる方法もあります。イグサ製のおもちゃは、畳を「齧っていいです」と教えてしまうようなもの。畳がある家なら、与えないのが無難です。
· 屋外(庭)で遊ぶのが本当は一番いいんですが・・・・・・。ウサギが他の動物に襲われたり毒草を食べてしまわないよう、細心の注意が必要です。やはり、サークルをつくって一定時間放し、その間見張る、または胴輪に慣らして庭を散歩、が簡単で安全でしょう。首輪は使わない方が無難です。
· 食べると害のある植物は、庭に普通に生えているものにも案外多いのです。こちらやこちらを参照し、放す区域を予め点検しておきましょう。
· 放しているときは、屋内でも屋外でも、絶対に眼を放さないように!見ていないときになにをしでかすか、わかったものじゃありませんぞ!
事件簿1:室内で放していて、ちょっと眼を放した隙にパニックになり(なにがあったのか不明。畳で滑ったか?)、頚椎を捻挫。
事件簿2:首輪をちょっと緩めにしていたら、前歯に首輪が引っかかってしまい、取れなくなった。鋏で首輪を切って外したが、その間本人は狂騒状態に陥ってしまい、ショック死する所だった。
事件簿3:庭に生えていた水仙の葉を食べてしまい、中毒を起こした。
ウサギの服
こーんな呆れたものを売るようになってるんですねー。絶対にやめてください!
理由:ウサギは体に密着するものを極端に嫌う傾向があります(胴輪に慣れない人もいるくらいです)。また、ウサギの胸腔は体や運動量に比較して小さく、呼吸をしづらい構造になっています。服で胸部が圧迫されていると、何かの拍子に失神してしまうかもしれませんぞ!
事件簿:後ろ足を骨折して、1ヶ月ギブス&ケージ生活。ギブスを外させないために、わらざぶとんやわらボールをひたすら与えてストレスを和らげた。散々それを壊してストレスは解消されたようだが、わらざぶとんは3日に1枚の割合で破壊されまくっていた。
ケージ=マイホームです。牢屋と思わせてはイケマセン!!
· だらだらと常に放し飼いするのは、あらゆる意味でウサギにとって良くないのです。理由は
Ø ケージを「牢屋」と思ってしまう → 入院したり、預けたりができなくなる。
Ø 踏みつける・蹴飛ばす等、あるいはコードを齧って感電など、事故の危険性が極めて高くなる。
· 普段はケージ、決まった時刻に決まった時間放す、という決まりをつくりましょう。ウサギのような動物は、規則正しい毎日を好むのです。
· 排尿の躾ができていれば、ケージにすのこを敷く必要はありません。
· 排尿の躾がうまくいかない場合には、すのこを敷かなければなりません。その場合には、足裏に負担の小さい、プラすのこを使いましょう。
· ケージのカバーは落ち着かせるために有効ですが、布製は引き込んで齧って食べてしまうので避けましょう。段ボール製がベスト。みかん箱に使われる厚手のものを工作して、寝小屋やカバーを作成すると、保温もできます。
事件簿:カバーにしていた布を大量に食べてしまい、胃内毛球症を発症(というか、胃内に糸くずがたまってしまったわけ)。
排尿の躾がうまくいっているウサギの飼育例―例えば、こんなケージのしつらえはいかがでしょうか?
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患者モデル:ぴー助君 |
このケージのポイント
1. ボトル式水入れは先端がトイレの隅に来るようにする。→ 水が落ちてしまってもトイレで受け止められるので、床全体が水浸しにならない。 2. トイレ砂にはおがくずを使用。→ 食べてしまっても安全無害。おがくずはかなりの水分を吸収する。掃除も割と簡単。 3. トイレのすのこは外す。→ つけて使用する場合には、すのこの下にチリ紙(落とし便所で使う奴)を敷いて、尿を吸い取れるようにしておく。 ㊟ティッシュや新聞紙は吸収が悪い。ペットシーツは食べられたら大変! 4. 寝小屋は置かない。→ 寝小屋は部屋を狭くします。 5. チモシー乾草は床敷き&食餌の両方の役割を果たす。 6. ペレットフードは固定式フード入れで給餌。
最重要ポイントは「水入れの設置位置」です。 |
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床やトイレ砂にはこれとか |
トイレはこんな感じ |
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床下の引き出しに 工夫をこらしたケージ 尿が漏れにくい
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左のケージの |
独立して売っている プラすのこ |
ケージカバーは |
寝小屋のオススメ の一例 |
1. 床に新聞紙を敷く
新聞紙は硬く、水分も吸収しません。インクが足裏にこびり付くだけでなく、摩擦によって足裏を傷めてしまいます。
事件簿:新聞を床に敷いていたために、足裏に慢性のたこができてしまった。
2. 床やトイレにペットシーツや、犬猫用のトイレ砂を使用する
ペットシーツや犬猫用トイレ砂には高分子吸収体が使われています。食べてしまうと、消化管内でふくらみ、腸閉塞を引き起こします。ペットシーツを使用する場合には、引き出し式ケージの引き出し部分など、齧られる危険性のない部分にしましょう。
3. プラスチック製や木製の寝小屋を使用する
プラスチック製の小屋は齧られるとトラブルの元。木製も油断なりません。
事件簿:木製の寝小屋とケージの隙間に足を突っ込み、慌てて引き抜いた拍子に後ろ足を骨折。
4. 金属や木ののすのこを使用
金属すのこは事故が多発します。足の爪を引っ掛けて爪が折れた、足裏が膿瘍になってしまった等々。木のすのこも湿ってしまうだけでなく、臭いも付きやすく清潔を保ちにくいのです。
動物には、接触熱が有効です。同時に逃げ場を作っておくことは更に重要です。
· 但しウサギは、暖房器具や冷房器具に直接座って体を温めたり冷やしたりすることが苦手な動物のようです。室内飼いではあまり神経質になる必要はなさそう。
· 心配な方は色々試して、ウサギに冷暖房を選択してもらいましょう。多分パッとしない結論になるでしょうが・・・・・・。
· 冷房のヒント1:ペットボトルに水を詰めて凍らせ、ボトルのままケージ内や脇に置く。
· 冷房のヒント2:ホームセンター等で大理石の板や、陶器製のタイルを購入し、それをケージに置いておく。
· アルミ板を置いてみた方の報告は「全く使いませんでした。あ〜あ」
· 暖房のヒント1:ケージの半分をホットカーペット上に置いてみる。
· ヒーターは乗っかろうとしない人が大半らしい。
でも、一応
をオススメとして挙げておきます。布等でくるまないこと。
1. なぜ、ウサギに胃内毛球症が多いのでしょうか?
· ウサギは元来、肉用あるいは毛皮・毛糸用に品種改良されてきました。現在の愛玩用ウサギは毛皮・毛糸用ウサギから転用されたものの子孫です。従って、元々の毛質を引き継いでいます。
· 毛皮・毛糸に求められる「柔らかくて長い毛質」は、同時に「絡んだりもつれたりしやすい」事を意味します。
· その毛質が胃内毛球症が多発する潜在的な原因と思われます。
· また、機能的に嘔吐できないために胃内貯留物を吐き戻すことができないこと、盲腸に至るまでの小腸が細く・長いこと、胃に常に食べ物が入っているのが正常な状態のために、胃内貯留物にウサギ自身が気付かないまま食べ物を詰め込んでしまうこと、等がウサギ側の要因として挙げられます。
· ケージ飼いのウサギは慢性的な運動不足に陥っています。その結果、胃運動や腸蠕動も不活発になりやすいために胃うっ滞が起こりやすく、更に毛球症が誘発されるのです。
· 胃うっ滞は全く別の疾患から誘発されることもしばしばあります。別の疾患によるストレスが胃腸管運動を抑制してしまうから、と考えられます。
· ラビットフードは、絡まった毛にまとわり付いて毛がフェルト状になるのを助長する傾向があります。
· 胃うっ滞初期では、排便は続いています。また、この段階で水をガブ飲みする傾向もあります。ちょっと食べなくても大丈夫かな?と飼主が錯覚する原因になっています。その結果胃内毛球症に進展してしまうのです。
· 巨大な盲腸内では「便の在庫」がたっぷりあります。在庫切れになるまでは排便は続きます。飼主は「食べるのと出すのは別物」と認識するべきです。
· メスの場合、胃うっ滞なのに食餌を平気で詰め込む場合が多々あります。雌ウサギの症状はプロでも読めません。飼主は「何もかも当てにならない」と覚悟するべきです。
· いわゆる「胃内毛球症を防止する」とされているものは、大きく2種類に分かれます。1つは「油や水で流してしまう」タイプ。もう1つは「胃内の毛を溶解する」タイプ。前者の代表が「ラキサトーン」後者の代表が「パパイヤ酵素」です。
· ラキサトーンのようなペーストの主成分はワセリンです。油で流そうというコンセプトですが、むしろ便に悪影響が出てしまうようです(下痢等)。効果はパッとしません。飲むのを嫌がるウサギも多いです。
· パパイヤ酵素は蛋白質分解酵素です。これで毛を分解しようというわけですが・・・・・・。無理でしょう。ウサギの胃液は酸性度が高く、酵素を構成している蛋白質は容易に変性してしまうでしょうし、よしんば毛を分解するにしても、その前に胃粘膜が溶けてしまう(同じ蛋白質ですから)はず。そうならないということは、結局効果はないわけです。
色々悩んで試した、当院の現在の結論は「飲み込む毛量を減らす」ことです。
ブラシも色々市販されていますが、ウサギの毛を良く捕らえて抜け毛を効率的に引き出せるのは、以下の2種です。
春・秋が抜け毛のシーズンですが、特にラバーブラシは普段からかける習慣にしておくと、なにかと楽になります。
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ラバーブラシ |
マッサージ効果&毛を浮かせてスリッカーの効果を高める 毎日かけてやることで、体表の血行を良くし、体全体を生き生きさせる効果があります。その結果、胃腸管運動も活発になり、運動不足が補われます。 また、体を触られることに慣れる効果もあります。 |
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抜け毛対策の決定版!! ラバーブラシをかけておいてから、これを使用すると、更に効果があります。 力任せにかけると、痛いので嫌がります。あまり力を入れず、ゆっくりかけてゆくと面白いくらい毛が取れます。 雌の場合、特に肉垂(首の下辺り)は丁寧にかけましょう。腹部も忘れずに。 暴れても大丈夫なよう、床で行うと良いです。近くに掃除機も準備。散った毛は掃除機で吸い込まないと、家中毛だらけになりますぞ!
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· 毛でできた、普通のブラシ。体の表面をなでるだけで、抜け毛は全く取れません。
· くし。犬猫には大変効果的ですが、ウサギの毛質だと、毛を捕らえることができません。
ウサギの歯は消化器です。歯の病気は消化器病です。
· 歯の異常は即額骨全体や消化器の異常に結びつきます。繊維を歯できちんと噛み切れていなければ、簡単に胃うっ滞が起こります。歯の健康は、ウサギの健康に大きな影響を及ぼすのです。
· 現在の獣医学では、中高年のウサギの歯の異常の原因の一大要因として「日光浴不足」が挙げられています。カルシウム不足が原因ではありません。
· 室内飼育のウサギは、直射日光を浴びる機会が極端に少なく、その結果、体内でビタミンDが活性化されないので、歯が正常に化骨化しにくくなっています。その結果、歯の強度にばらつきが生じ、切歯(前歯)や臼歯の伸び方や減り方が不均等になり、その結果咬合異常(噛み合わせの異常)が生じてくるのです。
· 若齢ウサギの歯の異常の主原因は、先天性の切歯(前歯)不正咬合です。これは、定期的にトリミング(歯を切り揃える)しなければなりません。放置すると、顎全体が変形し、修復不可能な咬合異常に発展してしまいます。
· 咬合が正常ならば、歯は通常の食餌管理(乾草+フード)で磨り減ってくれます。歯を使わないで食べられる食餌はNG。
· 歯を健康に保つために日光浴は大変重要です。直射日光に当てる時間は、週に1回・15分程度で充分。
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尿石除去剤 |
(多分)ケージの床にこびり付いた尿を溶かして落とす、優れもの 確かに、白い尿石は気になる方が多いかも? それを落とすってんだから、その方面では相当な便利品なのでは? |
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MSライフケア |
投与は慎重に!必ず主治医の指示を仰いで使うこと。胃うっ滞等の場合は、更に食餌を詰め込むことになってしまい、逆効果。 製造元:イースターペットフード 希望小売価格:¥2,100 |
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ワンラック ペットミルクSP
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当院では、手術後まずこれを飲ませることが定番になってしまったミルク。缶タイプはペットショップでも扱っているが、パウチの方が量が適切で、価格も安い。病院で購入できる(はずだけど・・・・)。 製造元:森乳サンワールド 人用粉ミルクのノウハウが生かされている。溶けがよく、濃く溶いても均質のまま。ウサギの腸内細菌叢に影響を与えない。ライフケアと混ぜるとライフケアそのものの投与も楽になる。 希望小売価格:¥399 |
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キャリーバッグの一例 ウサギに限らず、車から病院まで動物を抱いて連れてくる方がいます。絶対にやめましょう!!キャリーで運ぶのが基本です。動物はいつ、なにをしでかすか分かりません。
事件簿:抱いて病院に入ろうとしたら、中から大型犬が出てきて鉢合わせ。慌てた飼主が転んで怪我をした。 |
近年ウサギの寄生虫疾患として大変重要視されつつある、エンセファリトゾーン症について。当院でもじりじりと患者数が増えています。この疾患の特徴・防御策について述べます。
· 学名はEncephalitozoon cuniculi。
· 分類上は「原虫」(単細胞生物の寄生体。ゾウリムシ状の生物と考えると理解しやすいと思います)。
· 寄生虫ですから接触等でしか伝播しません。ウサギの場合、圧倒的に多いのは胎盤感染と考えられます。つまり、生まれた時から既に感染している場合がほとんどである。
· 胎児期に体内のあちこちに分散して潜伏し、出生後じわじわと増殖して症状を発現します。症状の発現部位は脳・水晶体(眼のレンズ)・腎臓等で、膿瘍(膿の塊)を形成します。その結果、脳炎や腎炎、または眼膿瘍を発症します。
· 症状の発現は突発的ですが、慢性経過をたどります。脳炎・腎炎の場合は致死的な経過を取ることが圧倒的で、残酷な疾患といえる。
· 脳症状の代表的なものは「首曲がり(斜頸)」です。元来パスツレラという細菌によるものでは、といわれてきましたが、大半がエンセファリトゾーンによるものと分かってきました。この場合、抗生物質が全く効果を発揮しません。
· ペットショップ等で売られている子ウサギを見て、見た目でこの寄生虫に感染しているかどうかを判断することは不可能です。
· しかし、発症した患者には、その成長ぶりに共通の特徴があります。大きくならない・育たないというのが前駆症状です。「ミニウサギ」というウサギは存在しません。小柄でも、2kg前後まで発育するのが正常です。買ってきてから1・2ヶ月経過しても体重が1kg前半程度にしか伸びない子ウサギの場合には、エンセファリトゾーン感染が強く疑われます。
· 現在では、血液中の抗体検査を行うことにより、感染の有無をある程度の精度で調べることが可能になっています。
· 但し、胎盤感染している場合、生後まもなくから寄生虫と共存しているために、抗体がうまく作られない(自分の身体の一部と勘違いすると、抗体ができない)可能性も大きいのです。従って、検査結果は黒白はっきり決着の出る性質のものではありません。
· 特に日本で多く飼育されている小柄なウサギの場合、血管が細いために、採血は比較的難しいものです。おとなしく採血させる躾(身体に触られることに慣れさせる)をしておく必要があります。ある程度の量を採血できないと、検査はできません。
· 現在、エンセファリトゾーンに有効な駆虫薬は「フェンベンダゾール」という薬剤である、というのが巷の通説になっています。しかし、この説の根拠はたった16匹のウサギに投薬した、という小論文(Suter C., Muller-Doblies U.U., Hatt J-M., Deplazes P., (2001) Prevention and Treatment of Encephalitozoon cuniculi in rabbits with fenbendazole. Veterinary Record 148, pgs 478-480)であり、しかも、このうち半数のウサギには効果がなかった、とするものです。この寄生虫に対する駆虫薬として、きちんとした治験は未だ行われていない、ということは認識するべき問題です。
· 日本で発売されているフェンベンダゾールは、豚や牛対象の家畜用製剤のみです。小動物用としては、「ドロンタールプラス」という薬剤に、投与されると体内でフェンベンダゾールに変換される「フェバンテル」という薬剤が含まれています。しかし、ウサギの体内での変換率等のデータはありません。国内で販売されている薬剤は投与量や味の点からも、投薬しにくく、効果の発現が思わしくないと考えざるを得ません。いきおい、薬剤はアメリカ等から輸入するしかないのが現状です。アメリカでは、フェンベンダゾールが犬用広域駆虫薬として発売されています。
· 輸入薬の使用はあくまで個人の責任になってしまう、ということは理解するべき重大な問題です。アメリカでも、この薬剤がウサギ用に認可されているわけではありません。
· 具体的な症状(特に脳症状)が発現してから駆虫薬を投薬しても、その効果は薄いと思われます。駆虫薬の効果はあくまで駆虫のみであり、脳炎や腎炎そのものを解決するものではないからです。特に脳炎の場合、これを解決する可能性のある薬剤として選択されるのは副腎皮質ホルモン剤ですが、この薬は病原体(病気の原因になっている生物)に対する体の抵抗性を落とすので、治療として矛盾が大きくなります。
· 動物の脳には、脳脊髄関門と呼ばれるゲートがあり、薬剤等の物質が脳内に浸透しにくくなっています。フェンバルビタールがウサギの脳内に分布できるかどうか、を調べたデータは、現在のところ存在していません。
· こうなると、当院が現在のところ推奨できるのは、
Ø 成長が遅い子ウサギについては、早い時期に血液検査をして、エンセファリトゾーン抗体をチェックする。
Ø 抗体が存在する場合には、症状が具体的に発現する前に即フェンベンダゾールを大量・長期間投与して、エンセファリトゾーンを駆虫する。
となります。
· しかし、現実には症状が発現してから来院、というパターンばかりですね。この場合、治療は極めて難しくなる可能性が大きくなります。
· フェンバルビタールを長期間漫然と投薬すれば、当然肝機能等に影響が出る可能性があります。「ラビットフードに添加するべき」等の意見がありますが、とんでもない話です。
エンセファリトゾーン症に感染していないウサギを計画繁殖し、販売すれば、万事問題は解決します。これはブリーダーの責任です。
しかし、この責務を果たす気が全くないアホブリーダーばかりである、という現状からすると、購入者・飼育者がリスクを負わざるを得ません。ひどい話だよな。
この疾患の責任はあくまでブリーダーが取るべきものであり、飼主、ましてやウサギには全く責任がないことは強調しておきたいと思います。